第15代会長就任に思う
当協会は本多静六、本郷高徳、上原敬二、田村剛が発起人となり、1918(大正7)年12月に日本の造園関係初の団体としてつくられました。初代会長の本多静六から数えて15代目会長に2024(令和6)年3月の日本庭園協会総会において就任いたしました。発起人のお一人上原敬二先生は、関東大震災を契機に、造園の技術者養成が急務であるという使命感から、東京高等造園学校(現東京農業大学造園科学科)を開校されました。私はその卒業生です。大学在学中は、樹木名や性質を知るために、上原先生の『樹木ガイドブック』を常時手にしていました。
卒業後、農大農場に奉職し、社会人3年目に第9代岩城亘太郎会長の「伝統庭園技塾」に参加したのをきっかけに、青年部の勉強会に参加し、学んだことを実習で学生に伝授してきました。また、講義には上原先生の『樹芸学叢書』を用いてきました。第11代北村信正会長を団長とする「中国古典庭園の探訪視察」に参加し、菊地正樹氏(現宮城県支部長)と出会い、そのご縁で、第13代金子直作会長の時には、創立百周年記念事業の一つである「東日本大震災復興記念庭園」築庭の講師と記録係として6年間関与しました。第14代高橋康夫会長の時には、「東日本大震災復興記念庭園」の開園式があり、築庭の記録を小冊子にまとめました。2024(令和6)年3月、第12代龍居竹之介会長の悲願であった『清澄庭園の魅力をさぐる~近代庭園の原点』を小沼康子広報委員長の下、まとめました。
当協会とのかかわりは41年になります。当協会を支えてこられた先人たちに育てていただきました。今後は、創立110周年を目指して、次世代を担っていただける方を育てていきたいと思っております。
また、庭園協会本部の見える化を図り、会員の声に耳を傾けます。若い会員や女性会員にも活躍していただき、本部の活性化を図ります。
ご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。